会計・経理
【2026年版】NPO法人の会計基礎知識:初心者でもわかる決算の流れ
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NPO法人の会計は企業会計と異なる部分があります。NPO法人会計基準の基礎から決算書作成までを、初心者にもわかりやすく解説します。
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# 【2026年版】NPO法人の会計基礎知識:初心者でもわかる決算の流れ
NPO法人の会計担当になったものの、「企業会計との違いがわからない」「どこから手をつければいいかわからない」という声をよく聞きます。この記事では、NPO法人会計の基礎を丁寧に解説します。
## NPO法人会計の特徴
### 企業会計との違い
**目的の違い**
- 企業: 利益の追求
- NPO: 社会的使命の達成
この目的の違いが、会計処理にも反映されています。
### NPO法人会計基準とは
2010年に策定され、2011年から多くのNPO法人で採用されている会計基準です。
**基準の目的**
1. 情報開示の充実(透明性の確保)
2. 会計処理の統一(比較可能性の向上)
3. ステークホルダーへの説明責任
## 必要な帳簿と書類
### 日常的に記帳する帳簿
**1. 現金出納帳**
- 現金の出入りを記録
- 毎日の残高確認が重要
**2. 預金出納帳**
- 銀行口座ごとに作成
- 通帳記帳と照合
**3. 経費帳**
- 支出の詳細を記録
- 領収書と紐付け
**4. 売掛帳・買掛帳**
- 掛取引がある場合
### 決算時に作成する書類
**必須書類**
1. 活動計算書(企業の損益計算書に相当)
2. 貸借対照表
3. 財産目録
4. 附属明細書
**補助書類**
5. 注記
6. 収支計算書(任意、作成推奨)
## 活動計算書の見方
活動計算書は、NPO法人の1年間の活動を金額で表したものです。
### 収益の分類
**1. 受取会費**
- 正会員、賛助会員からの会費
**2. 受取寄附金**
- 個人、企業からの寄附
- 一般寄附と使途指定寄附を区別
**3. 受取助成金等**
- 行政、財団からの助成金・補助金
- プロジェクトごとに管理
**4. 事業収益**
- セミナー参加費、物品販売など
- 課税・非課税の判断が重要
**5. その他収益**
- 受取利息、雑収入など
### 費用の分類
**事業費**
- NPO法人の本来事業に直接関わる費用
- 例: 講師謝金、会場費、資料印刷費
**管理費**
- 法人運営全般にかかる費用
- 例: 事務所家賃、光熱費、通信費、事務用品費
**重要**: 事業費と管理費の按分(あんぶん)が適切に行われているか が、外部評価のポイントです。
## 決算の年間スケジュール
### NPO法人の会計年度
多くのNPO法人は定款で定めていますが、4月1日〜3月31日が一般的です。
### 年間スケジュール例
**4月〜3月: 日常業務**
- 領収書の整理と記帳
- 月次試算表の作成(推奨)
- 預金残高の確認
**4月〜5月: 決算準備**
- すべての取引の記帳完了
- 棚卸しの実施(在庫がある場合)
- 未払金・未収金の確認
- 減価償却費の計算
**5月末: 決算書完成**
- 活動計算書、貸借対照表の作成
- 財産目録の作成
- 監事による監査
**6月: 総会**
- 決算承認
- 事業報告
**6月末: 行政への提出**
- 事業報告書等の提出(所轄庁へ)
- 提出期限は事業年度終了後3ヶ月以内
## よくある間違いと対策
### 1. 領収書の管理が不十分
**間違い**: 領収書を無くしてしまう、整理していない
**対策**:
- 月ごとにファイリング
- スマホで撮影してクラウド保存
- freeeなどの会計ソフトで自動取込
### 2. 事業費と管理費の按分がない
**間違い**: すべてを事業費または管理費にする
**対策**:
- 合理的な按分基準を設定(例: 人件費は活動時間で按分)
- 按分方法を注記に記載
### 3. 助成金の会計処理ミス
**間違い**: 助成金を受け取った時点で全額収益計上
**対策**:
- 使途指定寄附金・助成金は、使用した時点で収益計上
- 前受金として適切に管理
### 4. 減価償却を忘れる
**間違い**: 固定資産の購入額を全額その年の費用に
**対策**:
- 10万円以上の固定資産は減価償却
- 耐用年数に応じて数年に分けて費用化
## 会計ソフトの活用
### freee会計(NPO法人対応)
**メリット**
- NPO法人会計基準に完全対応
- 銀行・クレジットカード自動連携
- 活動計算書・貸借対照表の自動作成
- クラウドなので複数人で同時利用可
**料金**
- 月額2,380円〜(年払いで割引あり)
### 運用のコツ
1. 毎月末に必ず記帳を完了させる
2. 月次試算表で予算との差異を確認
3. 税理士にチェックしてもらう(年1回でも可)
## まとめ
NPO法人の会計は、慣れるまで難しく感じるかもしれませんが、基本を押さえれば決して複雑ではありません。
### 会計担当者が押さえるべきポイント
1. ✅ 日々の記帳を習慣化
2. ✅ 領収書は必ず保管(7年間)
3. ✅ 事業費と管理費の按分ルールを明確に
4. ✅ 助成金は使途指定に注意
5. ✅ 決算スケジュールを守る
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執筆者
nexs編集部
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